肺炎は日本人の死因第5位で、その多くが65歳以上の高齢者です。原因菌の中でも「肺炎球菌」は重症化しやすく、ワクチン接種による予防がとても大切です。
当院では、ニューモバックス®NP または キャップバックス® の2種類の肺炎球菌ワクチンを取り扱っています(在庫状況はお問い合わせください)。
肺炎球菌ワクチンの種類
1)ニューモバックス®NP(PPSV23)
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種類:23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(多糖体ワクチン)
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特徴:肺炎球菌23種類を広くカバーしますが、免疫の持続は数年で低下しやすいとされています。
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対象:65歳の方、および一定の基礎疾患がある60〜64歳の方は定期接種(公費)の対象です。

2)キャップバックス®(PCV21)
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種類:21価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV21)
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特徴:成人で問題になりやすい血清型を中心に21種類をカバーし、1回の接種で完結する新しい成人向けワクチンです。
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対象:2025年に「高齢者、または肺炎球菌感染症のリスクが高い成人」を対象として日本で承認・発売されました。

3つのワクチンの違い(簡単な比較)
| 項目 | ニューモバックス®NP (PPSV23) |
キャップバックス® (PCV21) |
プレベナー13® (PCV13)(小児の定期接種) |
|---|---|---|---|
| ワクチンの種類 | 23価 多糖体ワクチン | 21価 結合型ワクチン(成人用) | 13価 結合型ワクチン |
| カバー血清型数 | 23種類(最も広い) | 21種類(成人に多い型を広くカバー) | 13種類 |
| 免疫の特徴 | 免疫の持続が数年で低下 | 結合型で免疫が強く持続 | 免疫記憶がつきやすい |
| 主な対象 | 65歳以上(定期接種) | 成人・高齢者の肺炎予防 | 乳幼児の定期接種+成人任意接種 |
| 公費助成 | 65歳は公費あり | 任意接種(自費14.000円、税込) | 小児は公費/成人は自費 |
| 接種回数 | 1回(5年以上空け再接種可) | 1回(今後指針) | 通常1回 |
どのワクチンを選べばよいですか?
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65歳で初めて肺炎球菌ワクチンを受ける方
→ 公費対象となる ニューモバックス®NP を接種するのが基本です。
ニューモバックスは、約5年毎の接種をお勧めしますが、公費補助があるのは1回のみです。
キャップバックスは免疫が強く、効果も持続するので一生に1回の接種でよいですが、今のところ自費(税込14.000円)となります。 -
基礎疾患がある、よりしっかり予防したい方
→ プレベナー13®は主に小児の定期接種に用いられます。
キャップバックス®を含めた選択肢から、年齢・持病・これまでの接種歴を踏まえて医師と一緒に決めましょう。
「どれが自分に合っているか」は、年齢・基礎疾患・過去にどのワクチンを打ったか・自治体の助成状況によって変わりますので、受診時にお気軽にご相談ください。
接種のご予約について
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事前予約制です(ワクチンの取り寄せが必要な場合があります)。
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お電話または受付にて「肺炎球菌ワクチン希望」とお伝えください。
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当日は
・健康保険証
・自治体から届いた予診票・助成券(お持ちの方)
をご持参ください。



