お知らせ

◆ 究極の老化(高齢者タウオパチー)

第7回 認知症治療研究会(3月14日)に参加しました。
 年をとってくると認知症ではないけれども、少しずつ記憶力や判断力が衰えていくことを、なんとなく実感されている高齢者の方は多いと思います。(病気ではない)生理的な脳の老化は、タウという蛋白質だけ脳に蓄積することがわかってきました(アルツハイマー型認知症ではアミロイドと一緒にタウが蓄積します:老人班)。この状態を高齢者タウオパチーといいます。家族にはほとんど迷惑はかからず、その人らしく老いていく。もの忘れは確かに進んでいるが、普段の生活はそれほど困らないので、「究極の老化」、「理想的な脳の老化」ともいい、85 歳を超えると増えてきます。ただし中には、頑固さや怒りっぽさが目立つようになって、家族が扱いに困るような嗜銀顆粒性認知症:AGDと呼ばれる高齢者タウオパチーもあり、この場合はたとえ100 歳近い方でもちゃんと治療すると、もとの「穏やかさ、その人らしさ」を取り戻します。
 従来のアルツハイマー型認知症(AD)の約1~3割に高齢者タウオパチー(神経原線維変化型老年期認知症:SDNFT、嗜銀顆粒性認知症:AGD、びまん性神経原線維変化病:DNTCなど)が含まれていることがわかってきました。これらの患者さんは,もの忘れが主体で区別が困難ですが、病理学的には老人斑を欠くことが特徴で、ADの病理とは明らかに異なります。その進行はゆっくりで、老人斑を画像化できるアミロイドイメージングの登場によって,高齢者タウオパチーはアルツハイマー型認知症と区別できるようになってきました。このことは、認知症の患者さんの治療と予後を考える上でとても重要なことと思われます。

認知機能の改善に最も効果的なのはプレタール(シロスタゾール)であり、特にレビー小体型認知症に有効なことが再認識されました。またリバスタッチ(リバスチグミン)は認知症や脳卒中後の意識障害に効果があり、術後せん妄にも有効であることがわかりました。また、側頭葉てんかんによる意識障害にはデパケン(バルプロ酸)をうまく使うことで改善されることがわかりました。

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